従来の労務管理を発展させ、人を企業の最も大切なものとして捉えた考え方。人を重要な経営資源としている。各施策のメリット・デメリットや実行の際の留意点を理解しておく必要があります。

雇用管理

雇用が多様化する日本で、正社員の終身雇用が一般的ではなくなり、非正規社員の活用などが進んでいる背景は、より柔軟な管理を求めていることと、労働者のニーズが多様化しているからです。

採用管理

採用計画(積み上げ型かコスト逆算型)→募集・選考・採用

中途は通念採用が定着していて、特定の能力を持った社員の採用やインターンシップの受け入れが増えている。

配置・異動

垂直的な異動と、水平的な異動にわけられる。

垂直的な異動昇進より上位の役職(部長・課長)昇格上位の職能資格(参与・参事)
水平的な異動降職より下位の役職降格職務資格上で下位につく

職能資格制度は、1970年移行に普及した制度であり、様々な職能を困難度などで資格を区分し、区分を決めた。昇格の後で、選抜された社員を昇進させるのが基本的。

施策

ジョブローテーション 従業員に様々な職務を経験させる

CDP(キャリアデベロップメントプログラム) 人材の長期的な育成。ジョブローテーションなど従業員ごとのキャリア育成をする。

社内公募制度 新しい事業と開始する際に社内で要因を募集する制度

複線型人事制度 高いポジションだけでなく、専門性を追求することができる制度。複数のキャリアパスを用意することで、多様化する意向に対応

退職

自己都合(個人の自由意志)/会社都合(定年退職や人員削減)

以前は定年は60だったが、65歳まで段階的に延長する政策を高年齢者等雇用安定法という。

制度 

雇用延長のためには、三つの制度がある。

  1. 定年退職 
  2. 雇用延長 
  3. 早期退職優遇制度(選択定年制)

2の雇用延長のための方法は、定年延長、継続雇用制度、定年の廃止がある。

継続雇用制度には、定年後も引き続き雇用する勤務延長制度と、再雇用制度がある。

雇用調整

一般的には、過剰な雇用を削減することだが、解雇は労働者が保護されているので、残業時間の削減やAPの削減、その後に採用ストップで、最後の手段として解雇がある。

評価制度

従来は人事考課といわれていたが、現在はフィードバックによる評価制度になっている。従来の年功序列は、仕事の評価と処遇が一致しないことも多かった。見直しが必要。

成果主義・・成果主義は、能力主義とは別なので注意。

  1. 利点・・優秀な社員のモチベーションを高める、合計の人件費の削減
  2. 欠点・・短期的な成果を求める、従業員が個人主義
  3. 留意点・・公平性・透明性、個人の裁量、能力開発の機会の提供
  4. 利点・・モチベーションを高める、合計の人件費の削減
  5. 欠点・・短期的な成果を求める、従業員が個人主義
  6. 留意点・・公平性・透明性、個人の裁量、能力開発の機会の提供

→ 目標管理制度(MBO)と組み合わせて導入したほうがいい。 ※MBO(Management By Objective)は、上司との面談によって目標を決める制度のこと。

  1. 利点・・従業員の創意工夫ややる気を引きだす、上司とコミュニケーションととりながら進められる
  2. 欠点・・意図的に低くなりがち、評価者の負担が増える、業務によって設計が難しい

コンピテンシー評価

高い結果を出す人を分析し、行動特性を評価の指標とし、これを元に能力開発を行うため、プロセスを評価する方法。

評価者も人なので、誤差が出ることを、心理的誤差傾向という。

ハロー効果ある目立つ特徴があると、他の要素もそれに引きずられて歪められること。(おとなしい人が評価悪くみえてしまう)
中央化評価結果が中央の標準的な評価になる傾向
寛大化評価が甘くなる傾向。評価者が自信がないと厳しい評価をつけられない
論理誤差評価要素の間に関連があると、一つの要素が優れていると、別の要素も評価してしまう。(toeicの点数と英語での交渉など)
対比誤差価値観で評価してしまう。例えば、評価者の専門分野に対して劣っている人を低く評価しすぎる傾向。

これらを防ぐために、考課者訓練(評価者を育成するプログラムや研修)や多面評価(360度評価)などがある。

ヒューリステックとバイアスについて

ヒューリステック・・左脳による働きで、なるべく簡単に問題を解決するための思考方法

バイアス・・・傾向偏向先入観など

バイアスの種類

後知恵バイアス物事が起きてからそれが予測可能だったと考える傾向
確証バイアス(追認バイアス)ある選択肢に好意を抱いた人は、その選択肢を支持するような証拠を探し求め、データをそのように解釈する
内集団バイアス自分が帰属している集団には好意的に考え、その外の集団には差別的に考えてしまう傾向
正常性バイアス自分にとって悪い情報、害のある情報は無視すること
多数派同調バイアス行動に迷った時、とりあえず周囲の人に合わせようとする
リスキーシフト集団で何か行動をしたり、決断をするときに危険なリスクのある選択をしてしまうこと
持続性バイアス今の感情がずっと続くと思い込むこと
保守性バイアスこれまでの自分のやり方に固執して、それ以外を否定し、正当に評価をしないこと
感情バイアス感情的なことが原因となり、その解釈や判断に歪みを生じること
生存者バイアス生存者・成功者の言葉だけしかわからないこと
サンプリングバイアス不適切な標本抽出によって、母集団を代表しない特定の性質のデータがまぎれこんでいること
コンコルド(サンクコスト)効果ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をし続け、損をするにも関わらずそれまでの投資を惜しみ、投資がやめられないこと

ヒューリステックの種類

感情ヒューリスティック好き嫌いだけで意思決定をし、理由を後付けする
利用可能性ヒューリスティック(想起ヒューリステック)想起しやすい事柄や事項を優先して判断してしまう傾向。深く考えないので答えを出す瞬発力は高いが、思い込みを含むことが多い。
例・居酒屋にいくとまずは生ビール
代表性ヒューリスティック特徴的なビジュアルや固定観念でモノゴトを判断する
例・ランドセルは黒か赤
固着性ヒューリステック(保留と調整ヒューリステック)事前に与えられた情報のみからモノゴトを判断する
例・定価10万のPCと定価15万→10万のPCを、後者がお得と思う(アンカリング効果ともいわれる)
シミュレーションヒューリステック頭の中の創造のストーリーをえがいて、実物以上にモノゴトを判断する思考パターン
経験則から正解をだすのがヒューリステックで、論理的に正解を出すのがアルゴリズム。

報酬管理

報酬の目的は、従業員を組織に引きつけ、業績に貢献するための動機付けを行うこと。どのような報酬制度にするかは、従業員にとっての強いメッセージになる。

昇給

  • 定期昇給 (査定昇給や自動昇給)
  • ペースアップ(全体の一斉の底上げ)

基本給

  • 年功給 在籍期間によるもの
  • 職能給 職能資格という能力によって支給額が決定(日本独特)
  • 職務給 仕事の内容に対して支払われる。
  • 成果給 成果主義型の評価制度で、成果による。

賞与

  • 総額の算出→同業他社などを視野にいれることもある
  • 個別算出 (算出基礎学×支給月額×査定率)

退職金

義務ではないが、企業から見ると給与の後払い。現在では高齢の割合が増えていて、企業のとっては負担が多いので、算定方法を見直す企業も出ている。

ポイント制退職金 これまでの職能資格と勤続年数をポイント化し、ポイントに単価をかけて算出(基本給ではなく貢献度により決めるため)

確定給付型(将来受け取る年金額が決まっている)ではなく、確定拠出型(毎月の掛け金が確定しているものの、運用は加入者が選択する)。日本版401kとも言われる。

その他

持ち株制度(自社の株式を保有できる)や、ストックオプション(決められた価格で株式を取得できる権利)がある。優秀な人材を確保する目的でベンチャーではよく使われるが、株価が上昇しないとメリットがない。

能力開発

人材は、外部からの獲得だけでなく、内部でも育成していく必要がある。そのための方法が能力開発。実際の仕事を通じて能力を習得するOJTと、仕事の場を離れて学習するOFFJTがある。

メリットデメリット
OJT
(日常業務の中で指導)
実務能力
きめ細かい指導
コストがかからない
短期志向
上司に左右
体系的な知識習得が難しい
OFFJT(研修など)広い視野で体系的
新しい知識を得る
コストがかかる
実務能力の習得が難しい
それぞれ、キャリア開発の視点を持ち、従業員の視野を狭めないように計画的な異動や能力開発が必要になります。

その他教育訓練について

  • 階層別教育訓練・・新人教育や管理者教育など階層別の教育
  • 職能別教育訓練・・営業教育や技術者教育など職能別の教育
  • 課題別教育訓練・・安全衛生教育や資格取得教育などテーマ別の教育です。

360度評価について

先輩や同僚、関係先の部署や取引先などの、様々な人から評価を受ける。

効果について

  • 多様な評価をフィードバックすることができる
  • 普段の業務では得られない様々な情報を入手できる
  • 異なった評価を見ることによって、評価者を訓練する機会を与える。
  • 顧客や取引先が評価者となる場合、被評価者の顧客志向が高まる
  • 上司と部下のコミュニケーションの活性化が図られる(上司も評価されるから)

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