経営組織論の中でも、組織の人材などのソフト面を扱うミクロ環境理論です。

経営管理の発展

テイラーの科学管理法と経済人モデル

課業管理・・以前が成り行き管理(作業目標を設定しない・効率悪い)だったが、1日に行う作業量を課業として設定した。また、現場を科学的に分析し、時間や動作の研究をして、時間と手順の標準化を行った。これは、効率的な管理であり今の経営管理体制の基礎になっている。

課業管理の4つの管理原則

  • 課業
  • 標準条件
  • 成功→高賃金
  • 失敗→低賃金

成果 経営工学(IE)

問題点 対象が作業のみ(全体の視点がない)ことと、効率性を重視するあまり人間的要素を無視(人間を機械のようにみる)してしまう。このような人間に対する見方を経済人モデルといわれる。経済人モデルとは、人間は合理的に動くといわれている考え方。しかし実際には人間は合理的な判断をするわけではなく、感情や人間関係によって動くことも多く、それに着目した理論が、人間関係論。

人間関係論と社会人モデル

ホーソン実験

目的は、作業条件が生産性における影響を調べること。労働者の生産性を実験するために、様々なやり方(照明の明るさや休憩時間)で行ったが、作業条件と生産性には、特に差異はなかった。給与を出来高制にしても同じだった。それどころが、必要以上に能率を上げると、作業負担がかかったり、集団に迷惑がかかるといった非公式な行動基準があり、一定の作業量におさえようとする力が働いた。

結論・・生産には、労働条件ではなく、非公式な人間関係が影響を与える。非公式(インフォーマル組織)が公式な組織に大きな影響を与える。

経済人モデルに対して、人間は感情を持って行動するということを社会人モデルという。

1925年ごろのウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場    出典:HARVARD LIBRARY _ Western Electric Company 

問題点

感情を重視するだけでは生産性は向上しない。また、働く理由は様々であるが、個人の動機付けをするためには不十分であった。。この同期は、次のモチベーション理論研究される。

モチベーション理論

内容理論

動機は、欲求によって生まれるため、欲求が高まる過程において、様々な検証。

マズロー欲求段階説

欲求段階

  • 自己実現(可能性を追求したい)
  • 自我(認められたい)
  • 社会的
  • 安全
  • 生理的

下のものから満たされていき、それが一旦満たされると、動機付けの理由にはならない。ただし、一番上の自己実現のみ、満たされても無限に終わりがなく、次へのチャレンジの欲求が生まれる。これらを自己実現人という。

マグレガーX理論・Y理論

  • X理論 人間は本来怠け者であり、仕事の実行には強制や命令という統制が必要
  • Y理論 人間は仕事をするのが本性で、報酬次第では創意工夫をする。

従来の企業はX理論で管理されているが、従業員は満たされていないので、Y理論で管理することが大事である。それは、MBO理論といい、目標を設定することで、従業員の能力を引き上げることが重要。

ハーズバーグ動機付け・衛生理論

  • 衛生要因 不満足要因・・解決しても不満は減少するが動機付けにならない
  • 動機付け要因 満足要因・・これを解決させると、積極的な動機付けにつながる

動機付け要因の改善として、「職務充実」がある。仕事の判断と責任を拡大させて、仕事の質を充実。職務の垂直的拡大とも呼ばれる。

アージリス未成熟・成熟理論

未成熟→成熟 人間は成長の段階で、受動的から能動的に、依存から自立的になる。しかし、組織の既存のルールは、従業員に未成熟な状態でいることを要求してしまい、人間の成長を押さえつけてしまうのが問題。解決法として、職務拡大・ジョブエンラージメント。仕事の範囲を水平的に拡大することで、従業員に成長の実感を与えること。水平的な拡大と言われる

過程理論

どのようなプロセスで動機付けが行われるのか?という理論

ブルーム 期待理論

動機付けは、報酬の期待価値×確率で、その強さが変わる。報酬とは、金銭だけでなく、充実感や得られる尊敬など。また得られる可能性が低ければあまり動機付けされない。

マクレランド・アトキンソン 達成同期説

高い達成動機を持つ人は、個人の責任で仕事をし、迅速なフィードバックを求め、中くらいのリスクを求める。50%くらいの成功確率が一番動機付けされるが、簡単な仕事では動機付けされない。

リーダーシップ理論

すぐれたリーダーシップがどのようなものかというと、様々な考え方がある。

定義

目標を達成するために、人々に影響を与える。組織メンバーの動機付けなど。メンバーがリーダーシップを受け入れることが必要で、リーダーの源泉つまりパワーが必要。組織から受ける場合と、リーダー個人の資質による場合がある。

源泉

組織からの合法的な付与、つまり公式なものは、達成報酬、従わない場合には罰を与える強制勢力などがある。リーダー個人の資質は、努力によって専門性や能力がある専門勢力場合と、個人的魅力や一体感からの準拠勢力がある。

リーダーシップは変革を押し進める機能、マネジメントは効率的に組織を運営する機能。

資質特性論

優れた功績を挙げたリーダーの個人特性を解明しようとした。積極性や協調性を調べたが、パーソナリティ分析という個人の内面分析が難しく、統一見解がなかった。そのため、次の研究として、行動類型論が出てきた。

行動類型論

レヴィン リーダーシップ類型論

専制型 △  民主型○  放任型✖︎

それぞれのリーダシップの中で、民主型が一番いい成果。専制型は、満足度や雰囲気が劣る。

リカード システム4理論

  • 独善的専制型
  • 温情的専制型
  • 相談型
  • 参加型

一番良いのは、参加型。参加型では、リーダーは部下を指示して集団な意思決定をする。目標設定が高いが、成果をあげられる。各小集団の管理者は、上位下位横の役割との連結ピンになることが重要。それにより、コミュニケーションや組織運営が円滑になる。

ブルークムートン マネジリアル・グリッド

人間の関心と、業績の関心それぞれの関心が高い人が、もっとも高い業績を上げる。 →それが優れたリーダー

オハイオ研究

リーダーの行動を計測するための尺度をつくるための調査。

構造作りタイプ インフラ整備や部下の課題管理を徹底・・仕事志向

配慮タイプ  人間関係を維持する動き・・人間関係志向

コンティンジェンシー理論

必要なリーダーシップは、状況により異なるという理論。

フィードラー コンティンジェンシー理論

仕事中心型 リーダーが統制しやすい状況(メンバーにリーダーが信頼されている)と、統制しにくい場合

人間関係中心型 状況が中間的なとき

ハウス パスゴール理論

リーダーが、報酬の目標=経路を明確に示す。別名、目標経路理論。

ブルームの期待理論に基づいている。(報酬×確率)

上記を明確にすることで動機付けができる。また、メンバーが能力が高い場合や目標が高い場合は、参加型の動機付けが必要。

組織文化の特徴と管理者に求められるリーダーシップ

組織文化は、組織メンバーの間で共有された価値や理念、あるいは習慣となった行動パターン。キャメロンとクインは組織文化理論として4つに類型化。

組織文化のタイプ求められるリーダーシップ
クラン文化(※仲間と同義)支援的リーダーシップ
アドホクラシー文化革新的リーダーシップ
ハイアラーキー文化(※ヒエラルキー/階層と同義)規則や手続きの遵守
マーケット文化現実主義的リーダーシップ
※アドホクラシーとは、状況に応じて柔軟に対応すること。《ad hoc(臨時の、その場限りの)と-cracy(制度、体制)からの造語》

組織活性化

組織文化

すぐれた企業は、強い組織文化を持っていると良く言われる。例えばトヨタでは、現場を重視して問題を常に改善していく。一方で、思う通りの組織文化を浸透させることは難しい。

なぜなら、経営理念はトップが定めるが、組織文化は組織メンバーで形成されるから。組織文化は、メンバーの行動に大きく影響し、戦略の実行可能性に大きく影響される。

他の企業がトヨタ生産方式をマネしても、背景でもある従業員の考え方など組織文化が違い、うまくいかないことが多い。

組織開発

環境変化に対応して組織文化を含めて組織を計画的に変革し、組織を活性化させる手法。組織構造を変えるだけでなく、有効な組織文化の再構築する方法。コンサルや教育訓練を組み合わせることが必要。

有効な組織文化をつくりあげるためには、集団の特性を理解しておく必要がある。

集団の行動

企業は、小さな集団の集合体。事業部、部、課などとグループが集まって構成されている。集団を構成すると、個人には見られない特性が出ることを、集団のダイナミズムという。団結が強いほど、集団の行動基準に従うような圧力が働く。

集団の凝集性が高くなる、という。まとまりが良いが、閉鎖的になるなどのデメリットがある。

凝集性が高い集団→集団浅虜(グループシンク)という現象が発生する。これは、集団での意思決定が、個人で考えるよりも短絡的になってしまうこと。なぜなら、均一的な意見になるように、集団の圧力がある場合があるから。

コンフリクト

葛藤と訳されるが、組織が様々な価値観を持っている以上、避けれない現象。

  • 限られた資源をめぐって、意見が食い違う場合。
  • お互いの部門が、それぞれ自立やパワーを求めた場合。
  • 組織の中で共通の目標が同意出来ていない場合

などに起こりやすい。日本の企業ではコンフリクトを起こさないことが良いとされるが、組織の活性化のためには、アイデアを出し合って起こしたコンフリクトを創造的に解決する必要がある。それを積極的に行うことを、コンフリクトマネジメントという。

コンフリクトマネジメント

なるべく双方の集団の利益になるようなWINWINの解決法が理想だが、状況に応じて解決法を探っていくことになる。

組織学習

組織やメンバーが新しい知識を得る。→企業が競争力を高める。

組織の発展

低次学習(シングルループ学習) 組織がゆっくり進化している時に必要。既存の枠の中で行う。

高次学習 (ダブルループ学習)既存の枠を超えた学習。既存の枠組み自体を変革する学習。

組織学習サイクル

個人レベルの学習が組織に浸透する順番

  1. 個人の信念(考え方)
  2. 個人の行動
  3. 組織の行動
  4. 環境の変化

環境の変化がよかった場合は個人の信念は強化され、悪かった場合は、違う信念を形成するきっかけになる。しかし、実際には組織の中での制約があり、このサイクルをうまく回せていない場合が多い。

制約

  1. 組織の中で役割があり、行動が起こせないという制約。
  2. 個人が行動しても、周りの組織が傍観者的な態度を取り、組織の行動に生かされないという制約
  3. 組織が行動しても、環境に変化を及ぼさないという制約(思い込んでいるが、実際には変化しない)
  4. 環境の変化を正しく評価しない

これらは、組織間の壁があり、役割が固定的な組織で多く発生する。組織学習を妨げる要因を理解し、学習を促進する組織にすることが重要。

ナレッジマネジメント

知的資産の共有

蓄積して共有するだけでなく、個人の持つ暗黙知を、組織的な形式知として活用する。組織的知識創造プロセスをSECIモデルという。

  • 共同化(Socialization)
    • 個人の持つ暗黙知を、別の個人が、自分の暗黙知として取り込むプロセス
  • 表出化(Externalization)
    • 個人が持つ暗黙知を、他人に伝わりやすくするため、言語や図表などを使って形式知にするプロセス
  • 連結化(Combination)
    • 個別の形式知を組み合わせて、新たな形式知を生み出すプロセス
  • 内面化(Internalization)
    • 個人が形式知を理解し、自分自身のノウハウやスキルとして体得(暗黙知化)するプロセス

戦略的組織変革

外部環境の変化によっては、戦略的に組織の内容を変革する必要がある。組織は時間が経つにつれて固定的になる。

よくある抵抗

  1. 変革することでコストが生じる(すでに投資しているが回収していない埋没コストがある)
  2. 必要性の認識がない
  3. 危機を認識しても、現状維持の力が働く。

変革の遂行

戦略的組織改革の第一歩は、組織内で変革の必要性を認識することがまずは大事。そのためには、組織の既存の手続きによって処理された情報ではなく、より加工されていないリッチな情報(顧客の声や顧客動向)が必要。

変革のアイデアを出す時は、組織内での様々なバックグラウンドも持つ人の知恵の活用が必要。

実施して組織に定着する段階では各種の抵抗が生じるため、トップによる制度的なリーダーシップが必要。組織に理念を注入するようなリーダーシップ。つまり、新しい理念を表現し、それを組織の精度の中に組み込む。また、発生するコンフリクトを解決するのも重要なため、変革を成し遂げるためには、トップのリーダーシップがとても大切です。

組織アイデンティティー

組織メンバーにより、自分たちの組織に対して知覚している、中心的、連続的、独自的な属性のこと・

  • 中心性・・組織アイデンティティが自分たちのアイデンティティに対する最も中心的な答えであること
  • 連続性・・組織の一環として持続する特徴
  • 独自性・・他の組織と区別することができること

学習フォロー

職務特性モデル

モチベーション理論(動機付け)の一つで、仕事の性質や特性そのものが、モチベーションに深く関わるというモデル。仕事自体が面白ければ、モチベーションが高まると言われるが、面白さの特性は、以下に分かれる。

職務特性

  • 技術多様性 ある仕事をするのに、様々なスキルを必要とする。
  • 完結性 自分の仕事が職務の一部であるより、職務として完結している。
  • 重要性 自分の仕事が他人にとって、重要で価値がある。
  • 自立性 自分の裁量が大きいほど動機付けが高まる。
  • フィードバック 仕事の成果についての情報を直接的に得られるほど動機付けが高まる。

組織開発

組織開発とは、組織の有効性や従業員のウエルネス(心身ともに良好な状況)の改善を目指して、民主的価値観の下で計画的に組織変革に介入していくことを指す。

重視している価値観

  • 人間尊重の価値観・・人間は基本的に善で、最適な場を与えると、主体的に能力を発揮する。
  • 民主的な価値観・・できる限り多くの人が参加して関与すると意思決定の質が高まる
  • 当事者中心の価値観・・当事者が自ら主体的に変革に取り組む
  • 社会的・エコロジカル的システム志向の価値観・・組織を取り巻く社会や環境も重視する

組織コミットメント

個人が組織の対して一体化している程度を指します。会社と自分が一体だと感じている人は、会社のために主体的に働く。逆に、会社と自分は関係ないと感じている人は、給与のためにしかたなく働いたり、すぐ転職する。

コミットメントの種類

  • 情緒的コミットメント・・損得勘定ではなく、一体感や愛着といった情緒的なもの
  • 功利的コミットメント・・損得勘定に基づく功利的判断によるもの
  • 規範的コミットメント・・組織に忠誠を尽くすべきという信念によるもの
  • 態度的コミットメント・・組織の価値や目標を自分に取り入れていくこと
  • 行動的コミットメント・・個人の過去の行動によって、組織の関与が強まる過程に注目したもの

このように、会社が個人のコミットメントを高めるには、主体的に働く機会や成長の機会の提供など、様々な手法があります。

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